中古車を買ったら実は事故車だったという話を聞いたことがないでしょうか?
販売店からは何も聞かされずにいたため知らなかったケースがあります。
まさか販売店側が知らなはずはないでしょうが、修復歴があるにもかかわらず「修復歴有り」の表示をしないのは誰に責任があるのでしょうか?
また、その際に契約のキャンセルは可能なのでしょうか?
修復歴車を売りつけられて、被害者になる可能性はあなたにもあるのです。
修復歴の表示義務
実は販売店は修復歴車であることをお客さんに知らせることになっています。
修復歴がある場合にはその表示を行う旨が「自動車業における表示に関する公正競争規約及び同施行規則」によって義務付けられています。
第15条 規約第11条第1項第10号及び第2項並びに第3項の「修復歴(車体の骨格に当たる部位の修正及び交換歴)の有無」の表示については、販売する中古自動車に修復歴がある場合に「有」と表示するものとし、修復歴がない場合は「無」と表示するものとする。
引用元:http://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/062.pdf
ただ、ここで間違いやすいのが”事故車=修復歴車ではない”という点です。
どんな事故でも修復歴が付くわけでなく事故車とはどんな車の事なの?修復歴車の定義をわかりやすく解説でも説明していますが、一定の条件があります。
事故歴そのものに関しては告知する義務はないので、もし修理履歴がなければ知らされないのも事実です。
多少のキズがついた程度の事故でも厳密には事故車になるのですが、実際にお客さんに告知されることはないと考えておきましょう。
契約はキャンセルできる?
「中古車を買ったら修復歴があった」そんな場合は解約したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
ではキャンセルは可能になるのでしょうか?
結論から言うと”修復歴の表示もなく、知らずに買ってしまった”場合には契約の無効や取り消しを主張できるのです。つまりキャンセルが可能と言えます。
- 第96条
- 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
- 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
- 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。
引用元:https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC96%E6%9D%A1
そして、販売店側もこれに応じる必要があるのです。
ところで、保証なしで販売された車の場合にはトラブルになることがよくあります。
特に現状販売であることを知りながら購入して、後になって問題が発生したケースは後を絶ちません。
そうはいってもきちんと許可された販売方法であり、実際のところは結構な割合で存在しています。
お客さんが修復歴車であったことを知らなかった上に、通常の使用に支障をきたす場合には販売店側も責任を負わなくてはいけません。
良心的なお店ならば話し合いに応じてくれるかもしれませんが、現状はそんなお店ばかりではないのです。
特に時間が経ってからの異常が見つかった場合、責任があいまいになり対応が困難になります。
また車の状態によっては手放さなければならないといった状況になることさえあり得るのです。
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トラブルになってしまったら
もしキャンセルでトラブルになった場合に、誰に相談するのが良いか分からない方は多いと思います。
そんな時は次のところに相談してみましょう。
専門家の適切なアドバイスを受けられるはずです。
1. 一般社団法人 自動車公正取引協議会
ホームページ:相談室のご案内
消費者相談室:03-5511-2115(受付時間:平日10:00〜12:00、13:00〜17:00)
2. 一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会
ホームページ:JU中販連自動音声相談サービス
自動音声相談サービス:03-5333-3328(24時間受付)
また一般社団法人 日本自動車査定協会で査定をしてもらいその結果をもとに話し合いをするのも方法の一つです。
できれば購入前に確認してもらうのがベストではないでしょうか。
ここでの査定は確実なので間違いもありませんが、費用などの詳しいことは問い合わせてみてください。
まとめ
修復歴車を購入した場合は思わぬトラブルに発展することがあります。
最悪の場合には裁判に発展することを考えると、修復歴のある車は慎重に検討したいですね。
ただ必ずしも問題が出るわけではありませんし、お買い得な場合もあるでしょう。
目利きができる方のチェックであれば後々問題になることも少ないでしょうから、車選びの際には一緒に選んでもらうようにするのが良いと思います。