不幸にも事故に遭ってしまったときに、頼りになるのが保険です。
保険には自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）と任意保険がありますが、ほとんどの方が両方に加入していると思います。
事故が起こると色々な面でお金が必要になってきますが、これらの保険で車の修理費用は賄えるのでしょうか？
そこで実際に保険で100％カバーできるのか、そして保険の掛け金はどうなるのかについて見ていきましょう。
修理代は保険で支払われる？
車が破損してしまったら元に戻すには当然修理代が発生します。
でもその修理代はどの保険で支払う事ができるのでしょうか？
1.自賠責保険
これは誰もが加入している”強制保険”と呼ばれるものですが、この保険は「人身事故」のためのもので最低限の保障しかしてくれません。なので車の破損には適用されません。
2.任意保険
この保険は加入が義務付けられていませんが、保障内容によっては車の修理費用を賄うことができます。それには次の保障がついていることが必要です
- 対物賠償保険…相手の車や物の被害に対して支払われる
- 車両保険…事故で破損した車に対して支払われる
つまり、自分の車を保険を使って修理したい場合には車両保険に入っていないといけないのです。
この保険にはいくつかのオプションがあり、契約内容によって支払われる条件が異なっています。
その種類は単独事故でも支払い可能であったり、当て逃げまでカバーしてくれるものなど様々ですので、契約時によく確認しておくことが必要になります。
また保険には「特約」というものが存在します。
年齢制限が付いたり他人が運転した場合も適用される、盗難でも対象となるなどのものがあります。中には弁護士費用や時価（その時の車の価格）を超えて保障してくれるものまであるんです。
確かに任意保険は義務付けられていませんが、いざという時の事を考えると加入しておくのがベストでしょう。
すでに加入されている方は、いざという時に保険金が支払われないことのないように、オプションの内容を再確認しておくことをお勧めします。
全額保険でカバーできるの？
もし事故で車の修理が必要になったときに、いくら払ってくれるのか気になりませんか？
現実には全額は支払われない場合があるのも事実です。その理由は車の評価額によって、その修理代分の価値がないとされて満額にならことがあります。
例えば、修理見積もりが30万円だったとします。でも車の時価が15万円だとすれば、保険会社がそれ以上の金額を支払うことはないのです。
つまり相手や自分が乗っていた車の価値が低いと、いくら修理代が高くなろうともそれ以上の金額は出ませんので、不足分は自腹となってしまいます。
そんな時に助けてくれるのが「特約」です。
対物超過修理費用補償特約と呼ばれていますが、これに加入することによって差額が支払われます。ただし限度額がありますので保険会社や代理店に問い合わせておくことが必要になります。
とくに年式の古い車の場合には意外と保険金が低いので、ご自分の車の時価を知ることも大切ですし特約の加入もしておいた方が安心です。
それと免責にも気を付けておきたいものです。
もし免責金額が5万円なら、5万円分は自分で払わないといけませんので契約の時には必ず確認しましょう。
また、場合によっては修理でなく売却した方が得になることがあります。
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保険の掛け金は上がる？
事故で保険を使うと、それ以降の掛け金が心配になりますよね。
実際に保険を使ったことのある方もいらっしゃると思いますが、事故が起きる以前より保険料は高くなっているはずです。
保険には等級制度というものがあって、保険を使わない（事故を起こさない）と割引になって、保険を使うと割り増しになります。
ですので何が何でも保険を使うのは、場合によっては余計にお金を支払うことになります。
例えば5万円の修理代が掛かったとして、保険を使うことで等級が落ちて掛け金が上がります。これが「事故有り係数適用期間」です。
この状態から元の無事故の時の掛け金と同額になるまでに、6万円支払うことになるならば保険を使わない方が得だと思いませんか？
ただ、保険の掛け金は事故を起こしたからといって、永久に割り増しになるわけではありません。一定期間、保険を使わないでいると「無事故係数」が適用となり再び割引になるというわけです。
保険に入っていても50万円ものお金を払うのは大変なことだと思います。
それに誰も事故を起こすことなど前提に運転していませんから、いざとなったら本当に困ってしまうかもしれません。
だからこそ事故は絶対に起こさないようにしたいものです。
まとめ
保険というのは上手に使うと安心できて便利なものです。
だからと言って頼り切ってしまうことのないようにしたいものですね。
そうでないと保険に入っているから大丈夫という気持ちになりかねませんし、結果として多くの人に迷惑をかけることにつながります。
心に少しでも余裕を持つこと、そして優しさを忘れないように安全運転を心がけましょう。
