中古車の登録台数は2017年には380万台を超え、その中には多くの事故車が存在しています。
この数にはトラックやバスなども含まれていますが、9割近くが乗用車で占められており需要が高いことがうかがえます。
これだけ多くの中古車がある中で、事故車はどのような流通経路をたどって市場に出ているのでしょうか。
そして新車や通常の中古車との市場の違いはどうなのでしょうか。
事故車が流通する市場
流通の仕組み
まずは事故車が市場に流通するまでの仕組みを見ていきましょう。
下取りや買取によって集められた事故車は、国内で販売されるものと海外に行くものに分けられます。
これを決定するのは取り扱い業者と、車の程度、価格、需要などの条件によって異なります。
従ってどのような取り扱いになるかは、その時の状況によっても左右されるのです。
国内市場
国内市場では、事故車は修理されて中古車として販売されたり、パーツが再利用されています。
引き取った業者が修理して自ら販売したり、業販やオークションに出品された後に一般に販売されるのが一般的です。
ただ事故車はどうしても敬遠されがちです。
必ずしも問題が発生するとは限らないのですが、気持ちが悪いとか縁起が良くないと言った理由で購入を控えることがあります。
事故の修理費用は高額になることがあるため、手放してしまうことも多く、直して乗り続けるといったパターンも海外と比較すると少ないのが現状です。
まれに個人売買されることもありますが、購入したい理由は「部品を使いたい」「その車に対する思い入れが強く復元したい」など様々です。
海外市場
海外に輸出される車は、専門業者によって扱われることがほとんどです。
ですからディーラ―や一般の販売店では取引されていません。
専門業者は世界中にネットワークを持っているため、どこの国でどんな需要があるかを把握しています。
海外においては車に対する考え方は日本とは異なっており、事故車に対するマイナスのイメージがそれほど強くなく、受け入れられ易いのです。
つまり中古車としてのニーズも十分にあると言えます。
特に人気のある車種になると、事故車であっても価値が高いので販売が容易になる傾向があります。
人気車種については事故車が海外に輸出される理由とは?対象の国はどこで人気車種は何?もご覧になってください。
事故車の割合は?
登録台数が年間380万台以上にもなる中古車市場ですが、事故車の占める割合はどうなのでしょうか?
実はその全体の10%ほどが事故車(修復歴車)であるとする書物があり、それによると230台ほどの中古車を調べたとあります。
仮にそのままの数値を当てはめると10台に1台は事故車という事になります。
自動車検査登録情報協会によれば、2018年2月現在の自動車登録台数は全国で8200万台を超えています。
これを全体で見るとものすごい数の事故車が存在することになるのですが、調査台数が少ない上に登録全体の正確な統計がありません。
ですので、あくまでも参考程度に考えておくのが良いでしょう。
また、年間の廃車台数は500万台前後で推移しており、登録台数全体の6%ほどが処分されていることになります。
この中には事故車も含まれており、その内の100万台ほどは海外に輸出されているのです。
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新車や一般中古車との違い
新車の場合
新車の場合にはディーラーか販売店で購入するのであって、直接メーカーからは購入できません。
ルートとしてはメーカーから必ずディーラーを通して販売され、一般の販売店で購入する際にもディーラーを経由していまます。
ただしディーラ―の場合、特約店となるので決まったメーカーの車しか販売できない決まりがあるのです。
さらにトヨタ店、カローラ店、ネッツ店といった具合に別れていると、取り扱える車種までが限定されることがあります。
一方の販売店の場合にはこの縛りがありませんので、どのメーカーのどの車種でも(取り扱っていれば)購入が可能です。
もちろん新車の保証はちゃんとついていますので心配はいりません。
中古車の場合
中古車の場合にはディーラー系であったり一般の販売店であったり様々です。
買い取られたり下取りされた車はそのまま販売されたり、業販、オークションで転売されることになります。
そこから販売店が仕入れをおこない、一般ユーザーに販売されます。
その中にはディーラー車と呼ばれるディーラー系の中古車店で販売される車がありますが、国産車の場合にはほとんどメリットがないと言って良いでしょう。
ただ中古車であっても特別に保証が付くなどの違いで、販売される金額に差が出ることはあります。
まとめ
ここまで事故車の流通の仕組みについて見てきました。
実際の取り扱いではディーラー、販売店、専門業者の間で、それぞれつながりを持っていることが分かりました。
また日本国内だけでなく、海外にも輸出されて新しいユーザーのもとで活躍しています。
リサイクル率が90%以上になっている現在でもスクラップにされず、事故車の価値がなくなっていないという現実があります。
世界中で日本の事故車が必要とされる状況は当分の間続きそうです。