車の乗り心地はとても大切です。
乗り心地が悪いと運転していて楽しくありませんし、気分も良くありませんよね。
そのバランスはとても大切で、車のタイプにあったものが求められています。例えばサーキットを走るようなスポーツタイプの車に、ソフトな乗り心地が必要ないといった具合です。
その車が持つ本来の乗り心地が失われたとしたら、目的にあわない、欲求が満たされない状態になってしまいます。
実際に事故車の場合はそんなことが起こり得るのですが、その原因と修理について考えてみましょう。
事故車の乗り心地が悪くなる原因
事故にあったら乗り心地が変わってしまった経験をお持ちの方はいないでしょうか?
私もそんな経験があるのですが、その乗り心地はひどいもので違和感を感じるどころではありませんでした。
この原因は足回りやフレームに問題があることが多いですが、その症状にはゴツゴツした突き上げ感や、振動、あるいは異音といったものがあります。
通常は走行距離や経年劣化による悪化が多く、ショックアブソーバーがオイル漏れなどで寿命になっている、ブッシュ類がヘタっていたりひび割れが発生しているなどが原因です。
ところが事故車の場合にはそうとは限りません。
事故を起こした際に足回りに大きな衝撃を受けていると、構成している部品が変形したり破損したりすることがあり、走行距離や年式とは別の問題なのです。
ですから新車であっても事故を起こせば高い確率で問題が発生します。
車は多くの部品で構成されており、それぞれが重要な役割を担っていますので一つでも不具合があれば乗り心地を維持できません。
どうしても直らなければ廃車処分となってしまいますが、価値がゼロと決まったわけではないのです。
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- フレーム(ボディー)
- ロアサスペンションアーム
- アッパーサスペンションアーム
- スタビライザー
- ショックアブソーバー
- アッパーマウント
- ブッシュ類
これらの部品がバランスをとっているので、いったん崩れてしまったら大変です。
サスペンションにもマルチリンク式、Wウィッシュボーン式、スイングアーム式など様々なタイプがあり、事故によって受ける影響も異なってきます。
さらに、サスペンションだけでなくフレームにも及んでいる可能性も考えられます。
特に乗用車ではモノコック構造と言って、ボディーにフレームの機能を持たせているものがほとんどで、ボディーの歪みが乗り心地にも影響することがあるのです。
修理によって復元することは可能?
修理の判断基準と作業内容
これが最大のポイントになりますが、そもそも修理ができるのでしょうか。
結局のところ直せるか直せないかは損傷の程度次第になってしまうのが現状です。
作業内容としては事故後に乗り心地が変わってしまった場合、問題があると思われる部品を交換していくことになります。
原因となっている部分を取り除いていくのですが、最悪の場合には関係するすべての部品を新しくしないといけない事態も考えられます。
さらに交換部位によってはアライメントの調整をし直さなければなりません。
それでも完全に修理しきれない可能性はゼロではないのです。
私が以前に乗っていた車も売却後に事故で大破してしまい、何度も修理に出しましたが結局直りませんでした。
これは修理工場のレベルの違いなのか分かりませんが、フレームにも何らかの影響が及んでいたことも考えられます。
数多くの部品を交換したにも関わらず完全には直らなかったのです。
修理秘術の向上によってフレームは1ミリ以下の精度で修正ができるようになりました。ですが、その時には発見できなかった問題がどこかに残っていることもあり得ます。
また、修理が終えて見た目と数値ではOKになっていても強度への影響まではわかりません。後々になって徐々に影響が出てくるのかもしれません。
修理費用はいくらかかる?
修理費用も気になるところですが、これは車種によって金額に大きな開きがあると言って良いでしょう。
ここでは一般的な国産乗用車の参考としてご覧ください。
修理費用 | |
フレーム(ボディー) | 不明(~数十万円) |
ロアサスペンションアーム(1か所) | 15,000円~60,000円 |
アッパーサスペンションアーム(1か所) | 15,000円~80,000円 |
スタビライザー(1か所) | 10,000円~20,000円 |
ショックアブソーバー | 40,000円~200,000円 |
アッパーマウント | 40,000円~80,000円 |
ブッシュ類 | 50,000円~100,000円 |
これらの中には乗り心地だけでなく、異音や振動の原因となるものがあります。
それらについては変な異音や振動があったら事故車かも?修理費用&乗り続けて大丈夫?にも解説しましたので参考にしてください。
まとめ
乗り心地の悪さは多くの部品が相互に関係しています。
それだけに原因がはっきりしない場合、多くの時間と多額の費用が掛かってしまう事があります。
ただ、乗り心地の問題は運転する人や乗っている人の感覚であるのも、解決を難しくしている理由のひとつではないでしょうか。
また、いくら修理をしても改善できない可能性は消えないので、日頃から”事故を起こさない運転”を心がけることが大切です。