塗装によって車のイメージはずいぶんと変わるものです。
ピカピカのボディですと高級感が出たり、スポーティーに見せてくれたります。
塗装し直すことで、きれいになるばかりでなく気分的にもしフレッシュできるのですが、デメリットを心配をされている方もいらっしゃるはずです。
その一つが事故車扱いになるかどうかではないでしょうか?
そこで全塗装をした際の問題点について見ていきたいと思います。
目次
全塗装すると事故車扱いって本当?
事故車(修復歴車)扱いになる?
そもそも全塗装をすると、事故車扱いにされるのでしょうか?
実は全塗装されても事故車(修復歴車)扱いにはなりません。
ですからその点では心配いらないのです。
そもそも事故車の定義は「骨格部分」に手を加えた場合であって、そうでない部分に関しては修理しようが交換しようが関係ないのです。
事故車(修復歴車)については事故車とはどんな車の事なの?修復歴車の定義をわかりやすく解説でも説明していますので参考にしてください。
例えばドアを交換したとしてもボルトで固定しているため、骨格部分のように溶接されているわけではありませんので、事故車にはなりません。
いくら全塗装といっても骨格部分に手を付けなければ規定上の問題はないのです。走行性能や安全性に影響を及ぼすものでもありません。
ただ、再塗装をしてあり経歴が不明ですと事故の可能性や、取り扱いの悪さを疑われてしまうのは仕方のないことでしょう。
なぜ全塗装する必要があるの?
では全塗装をするのにはどんな理由があるでしょう。
塗装は何年も経つと色あせたり艶が落ちるなどすることがあります。
色も新車から年数が経つにつれて微妙に変わってきますので、新車時の色と変わってくることもあるでしょう。
さらに表面が荒れてザラついてしまったら、いくら磨きを行っても元のように艶のあるきれいな外観にはなりませんので、その際には全塗装がおこなわれたりします。
こうすることで、元の色や艶が復元されるというわけです。
人によっては、そういった状態になっていなくても今までの色に飽きてしまったり、自分だけのカスタム色に変えたいなどの理由で塗装する場合もあるでしょう。
その他にも広い範囲でキズが付いてしまった場合にも全塗装によってきれいにすることがあります。
通常ははキズやへこみがある部分だけを塗装するのですが、広範囲に及ぶとそれだけで済まない場合が出てきます。
色を変えなければ問題ないのか?
全塗装で起こる問題とは
全塗装しても事故車扱いにならないのは分かりました。
でも大きな問題があります。
それが査定です。
もし売却しようとしたら普通は査定をしてもらいますが、買取価格は全塗装されていると下がってしまいます。
キズのある車より見た目はいいものの、マイナスポイントとして減点されてしまうのです。
車種や程度によって異なりますが、数十万円という金額で安くなってしまうことが普通にあると思ってください。
査定が下がる理由は塗装の質によるところが大きいと考えられます。
塗装後すぐには分からないかもしれませんが、年月が経つにつれてその差があらわれることがあります。
特に安く仕上げようとして、元の塗装を剥離しないで仕上げた場合は注意が必要ですので覚えておいてください。
またメーカーや塗料によっては下地処理などの対応が異なることもあり、この判断を間違えると思ったような結果が得られないケースも考えられます。
つまり、仕上がりや耐久性がないといったデメリットにつながる可能性があるのです。
そうはいっても、売却はせずにずっと乗り続ける方にとっては良いリフレッシュになるかもしれません。
特に旧車の場合はオリジナルの状態を保つのがとても大変ですし、新しい車でも保管状態が悪いと塗装の劣化も進んでいるでしょう。
最近は塗料も塗装技術も進歩していますので、昔と比べると質が向上しているのは確かです。そうはいっても現状では自動車メーカーでおこなわれる塗装より劣ってしまうのです。
塗装色を変えたらどうなる?
全塗装によって査定が下がってしまいますが、色を変えた場合はどうでしょう。
中には修理をしたわけでなくても、自分の好きな色にしたという方もいらっしゃると思います。
この場合、ごく一部ではありますが例外的に高値で売れることもあるようです。
一般的には安くなる傾向にあるものの、人気車種で人気色であれば全塗装をしてあっても査定額が下がらない可能性が出てきます。
ただしこれには条件がつきます。
それはただ一つ、塗装がきれいでしっかりしていることです。もちろんボンネットやトランクの裏や中といった部分までしっかりと塗装されていなければいけません。
そうはいっても絶対に下がらないわけではないので、何十万円という大金をかけても高値で売れる保証はどこにもありません。
実際には需要(欲しいという人)がないと高値で売却するのは難しいでしょう。
もし売却を考えているのでしたらおすすめの事故車買取業者をランキング!絶対にお得な見積り査定を参考にされてはいかがですか?
自動車メーカーと塗装が違う
自動車メーカーと業者による塗装には大きな違いがあります。
メーカーの場合、新車の下地にカチオン電着塗装という処理をおこなっています。この方法は塗料の入った槽に部品を入れ、さらに電気を流して密着させる塗装方法です。
これによって錆に対してとても強くなります。さらにその上から中塗り、上塗りベースコート(塗装色)、クリアと何層にも塗っていきます。
それに比較して通常の塗装の場合は板金の後のパテを塗り、下塗り(サフェーサー)、上塗りベースコート(塗装色)、クリアといった工程になります。
もちろん何層にも塗り重ねる事は可能ですので、すばらしい艶感を出すことはできます。
ですが、塗料や焼き付け温度、工程の違いなどが耐久性と深く関係していると考えられ、数年後に大きな差が出てくる可能性は否定できせん。
まとめ
全塗装するとリフレッシュできる反面、売却する際には不利になる可能性が大きいです。
そうなるといくらお金をかけても無駄になってしまいます。
塗装後も長く乗るのであればそれも選択肢のひとつでしょうが、買い替えを考えているのなら慎重に考えた方が良さそうです。
必要以上の事はしないのがベストなのかもしれません。