事故で車が破損してしまったら、そのままにせず修理をしてもらうことがほとんどでしょう。
ただ直ぐに修理に出せない事情があったり、どうしても使わなければならない場合もあると思います。
そんな時、破損した車でも自走できればそのまま公道を走行しても問題はないのでしょうか?
そして、これが整備不良となり道路交通法違反になるのかについて見ていきましょう。
事故車で公道をそのまま乗るのは違法?
事故には必ず車の破損が伴います。
破損といってもその程度は同じではないので、状況によっては自走できることもあります。
だからといって修理をせずに公道を走ると、整備不良として違法になる可能性があるのをご存じでしたか?
ではどのような場合があるのか例をあげて見てみましょう。
まず、ヘッドライト、ブレーキランプ、ウィンカー(尾灯類と呼ばれています)は問題なく点灯しなくてはなりません。
もちろん破損していたり点灯しない場合には自走してはいけないのです。
そしてボディーですが、つぶれたり、へこんでいる以外にも、めくれてしまって鋭利な刃物のように飛び出していることがあります。
ちょうどこんな感じですね。
見るからに危険でありケガにつながりそうで危ないです。
フェンダーの鉄板がめくれてしまっており、この状態で公道を走ることはできません。
たとえ走れたとしても道路運送車両法の突起物規制に違反することになります。
自動車の外部表面には、外向きに鋭く突起した部分があってはならない。自動車の外部には、
衝突時又は接触時に歩行者等に傷害を与えるおそれのある えるおそれのある形状、寸法、方向又は硬さを有す
るいかなる突起を有してはならない。引用元:http://www.mlit.go.jp/common/000052115.pdf
その他にも、安全に走行するためにはサスペンションに異常はないか、ハンドルはちゃんと切れるかなどの確認が必要です。
特に大切なのがブレーキ(制動装置)で、まずは損傷がないか見て確認するのは当然ですが、しっかり効くことを確かめてください。
走り出せても止まられないのでは、新たな事故の発生につながるのでとても危険ですし、自分で確認ができない、良くわからない場合には迷わずレッカー車を呼ぶことをお勧めします。
場合によっては損傷が激しく修理不可能といった結果になることがあるかもしれません。
そんな時にはおすすめの事故車買取業者をランキング!絶対にお得な見積り査定をご覧になって、売却を検討してみるのも良いでしょう。
運転していた場合には反則になる?
もしも整備不良の状態で運転をしていた場合は、道路交通法の「整備不良車両の運転の禁止等」に違反することになります。
青キップが切られますので免許の点数が引かれて、罰金を支払うようになります。
- 尾灯等 : 減点1点 、反則金7,000円(普通車)
- 制動装置等: 減点2点 、反則金9,000円(普通車)
これに従わなかった場合、三か月以下の懲役又は五万円以下の罰金とされていますので、くれぐれも運転しないように注意してください。
車が破損して安全に走行できないような状態になっていたら、すぐに修理工場へ運び修理をおこないましょう。
仮に動いたとしても公道を走らせてはいけません。レッカー車に来てもらい安全に移動するようにします。
第十二節 整備不良車両の運転の禁止等
(整備不良車両の運転の禁止)
第六十二条 車両等の使用者その他車両等の装置の整備について責任を有する者又は運転者は、その装置が道路運送車両法第三章若しくはこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法〔昭和二十九年法律第百六十五号〕第百十四条第二項の規定による防衛庁長官の定め。以下同じ)又は軌道法第十四条若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぽすおそれがある車両等(次条第一項において「整備不良車両」という)を運転させ、又は運転してはならない。
(罰則 第百十九条第一項第五号〔三月以下の懲役又は五万円以下の罰金〕、同条第二項〔十万円以下の罰金〕、第百二十条第一項第八号の二〔五万円以下の罰金〕、同条第二項〔五万円以下の罰金〕、第百二十三条〔罰金刑又は科料刑〕引用元:http://www.takaragaike.co.jp/doukou/s0303d.htm
そうは言ってはどうしても車を使いたいときもあるもあるでしょう。そんな時には代車を借りたり、レンタカーで代用するようにしましょう。
道交法第62条に定められている整備不良車両の運転の禁止の内容はとても重要なことです。
他人に危険を及ぼしたり迷惑を掛けないことは運転者としての義務です。
少しぐらい大丈夫とか、見つからなければ良いなどと考えずに常に安全を意識しましょう。
整備不良車で事故が起きた時の責任
整備不良車は運転することも違法ですが、万が一事故を起こすと重い責任を問われることになります。
本来このような車は運転をしてはいけないのですが、それを承知で運転するのはもっての外です。
もしも整備不良車を運転していて単独事故を起こしてしまったとします。これによって損害が生じた場合には損害賠償の責任があります。
また、相手がいた場合には”犯罪”に問われる可能性も出てきます。
物を壊してしまっただけでなく、人に怪我を負わせてしまったとか、最悪の場合は命にかかわるようなケースにならないとも限りません。
そうなってしまうと損害賠償だけでは済まず、禁固刑や罰金、さらには懲役といった刑が科せられることさえあるのです。
こういった重い刑罰を受ける本人も大変ですが、事故によって多くの人が悲しみ、辛い思いをしなければなりません。
車の点検や整備は事故の時に限らず、車検や法定点検を含めて日頃からおこなうようにして、安全走行できるように努めましょう。
違法でなければ事故車でも修理は不要?
事故と言ってもその程度は様々で、ちょっと擦ったくらいのものから全損状態のものまであります。
ですからすべての車が違法車両となるわけではなく、通常の使用にもまったく影響がない場合も考えられます。
ちょっとバンパーやドアを擦ってしまったとか、整備不良車両に該当しなければ見た目は悪いですが何の問題もありません。
もちろん足周りなども損傷がなければ普通に走行することができますし、運転のフィーリングが変わるわけでもないので、そのまま走行可能ですからムダなお金を払う必要はありません。
ただ心配になるのは事故の影響によって、何らかのダメージを受けている可能性は否定できませんので、点検はきちんとしておいた方が無難でしょう。
こうすることで後々起こるかもしれない問題や故障を予防できます。大したことはないと思っていても、思わぬ故障につながったりします。
素人判断はとても危険であり、どこにどんな影響を及ぼしているのかは点検しなければ分かりませんので注意したいものです。
まとめ
事故で破損してしまったら、自走しないのが基本ではないでしょうか。
もちろん程度にもよりますが、思わぬところが損傷を受けている可能性があります。
もし気付かずに運転していたらとても危険ですね。
反則金や免許の点数ももったいないですが、安全を第一に考えたら”自走しない”のが最善の方法でしょう。