事故車と聞くと廃車をイメージしてしまう事がありませんか?
どうしてもバラバラになっていたりつぶれている状態を想像してしまいがちです。
そんな事故車を扱って生業としている専門の買取業者が存在しているのも事実で、企業として成り立っています。
一体どうやって儲けているのか、一般の中古車業者と比較してその仕組みを見ていきましょう。
一般の中古車業者の場合
仕入れ方法
通常の中古車業者の場合の仕入れ方法は、店頭や出張による買取とオートオークション(中古車オークションとも呼ばれています)の2通りが主になります。
買取の際には車の年式や走行距離、状態、修復歴の有無などがしっかりとチェックされます。
そのうえで査定がおこなわれ、価格が決定します。
それに対してオークションでは車のエンジンをかけたり走らせてのチェックができません。
従って検査員によってチェックされた出品票をもとに判断することになります。
ですが、現実にはオークション会場に出向かずに、代行業者に依頼して落札している業者が多くあります。
オークションにおいてはチェックできる内容が限られてしまうので、落札の判断が難しくなる傾向があります。
実際に参加するためには古物商の資格を持っているだけでは無理で、販売店としての実績や保証人などの条件をクリアしなければなりません。
ですので売買の経験も必要で、なおかつ正しい判断と品定めができる目を持っていなければいけない事になります。
販売方法
こうして仕入れた車を販売する場合、通常は店舗でおこなわれます。
商売ですから利益(儲け)を出さないといけませんので、いくらかの金額を上乗せしています。
その金額には人件費や車の整備代、そして利益などが上乗せされます。
その金額は販売店次第ですが10万円~数十万円、高級車になると100万円以上になることがあります。
そう聞くとずいぶんと儲けているイメージがありますが、店舗によってもその差は大きく異なることがあります。
また、店舗販売せずに再びオークションで売ってしまうことがあります。
これは店頭販売ではなく、主に店舗を構えていない販売業者がおこなう方法とも言えます。
「オークション流し」とか「オークション回し」と呼ばれている方法で、オークションで仕入れた金額に上乗せして別のオークションに出品して利益をあげる方法です。
簡単にいうと転売になります。
この方法であれば参入のハードルは低く、オークションへの参加は資格を持った業者に代行してもらえば可能になります。
実際のところ代行業者に依頼して車の売買をおこない利益を上げている人もいます。
この場合は古物商の許可を取得するだけで、提出書類は多いですが申請そのものはさほど難しくはありません。
ただし、代行業者の選択が課題となるでしょう。
事故車買取業者の場合
仕入れ方法
事故車といってもすでに修理済みの車もあれば、まだ修理されていない車もあります。
修理済みの車は修復歴の有無を表示して売買が可能です。
ところが修理前の車は一般の販売店やディーラーではなかなか引き取ってくれません。
特に全損に近い状態では処分だけでも費用が発生したりします。
おすすめの事故車買取業者をランキング!絶対にお得な見積り査定にもありますが、こんな時に事故車専門の買取業者がこれらの車を買取ってくれるのです。
事故車は自走ができない事が多いので、査定のために車を持ち込む事が困難です。
そこで仕入れの方法として出張買取がおこなわれています。
大手になると日本全国で対応が可能となっており、スムーズな買取がなされます。
基本的には状態を問わず、全損状態の車でもOKの場合が多いです。
販売方法
こうして仕入れた車をどうやって販売するかですが、大きく分けて3つのパターンがあります。
- 修理・再生して販売
- 中古部品として販売
- 鉄などの資源として販売
修理された車は状況によって修復再生して使用されます。
修理前であったりすると、海外に輸出された後に修理がおこなわれ再び公道を走っています。
程度にもよるでしょうが国内でも修理されたあと修復歴車として販売されたり、オークションにも出品されることがあります。
修復歴車については事故車とはどんな車の事なの?修復歴車の定義をわかりやすく解説も参考にしてください。
使える部品についても日本だけではなく、世界中の国々に輸出されています。
海外に渡った事故車の部品は中古パーツとして再利用されています。
新品と比較するとずいぶん安くなっているのがわかりますが、これが中古部品の最大の魅力でしょう。
部品価格参考(比較一例) | ||
部品 | 新品 | 中古 |
エンジン | 400,000円 | 80,000円 |
ATミッション | 300,000円 | 60,000円 |
ライト | 40,000円 | 15,000円 |
テールランプ | 35,000円 | 5,000円 |
バンパー | 40,000円 | 10,000円 |
日本車の部品品質は海外でも高い評価を受けているので需要が多いのです。
使えない部品については資源となり、事故車であっても無駄なく再利用されています。
まとめ
事故車の買取業者が専門で成り立つには理由があります。
本来ならスクラップ程度にしかならないと思われる車でも、実に様々な使われ方をしており価値を生み出しています。
事故車であることを考えれば、さすがに通常の車と同じ買取価格というわけにはいきません。
ですが商品としての価値が見直され、市場として成り立っているのも事実です。