車を購入する際にローンを使って支払いをする方は多いと思います。
中には現金で一括払いされる方もいますが、分割の場合でも頭金としてまとまったお金が必要になります。
もちろん頭金なしでも基本的には可能ですが、毎月の支払額が増えて大きな負担になることが少なくありません。
支払い方法も様々なものがありますが、今回はその中でも月々の負担が少ない残価設定ローンについて見ていきます。
残価設定ローンとは一体どんなもので注意点やメリット、デメリットは何か?そして万が一にも事故車になってしまった場合はどうなってしまうのでしょうか。
残価設定ローンとは何?
残価設定ローンは残価設定型クレジット(残クレ)などとも呼ばれているもので、一度は目にしたり聞いたことがあるかもしれません。
これは新車に乗る際に、あらかじめ数年後の車の価格を設定しておき、新車価格との差額だけを分割払いするというものです。
例えば新車価格200万円で、5年後の価格が80万円とした場合、その差額の120万円をローンで月々返済するイメージです。
そして5年後には車を返却するシステムが基本になっています。
もちろんこれには登録費用やローンの利息などが別途必要になってきますのでその分の支払いは増えます。
これと同様のローンはずいぶんと前から存在していましたが、自動車メーカーが取り扱いを始めたのはそれほど古くはありません。
現在ではトヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツなどのメーカーでも対応ができるようになっています。
特徴的なのは支払い方法のみではなく、支払いが終わった後の車の取り扱いも通常の購入と異なっており、次の中から選択できます。
- ディーラーに返却する
- 買い取り(残価を支払い)して乗り続ける
- 次の新車を購入する
さらに残価設定ローンは、新車だけでなく中古車でも利用できるのが魅力の一つです。
トヨタ、ホンダ、スズキといったディーラー系の中古車店でも取り扱いをしており、より購入しやすい環境になっているのではないでしょうか。
ただし、下取り金額の設定や支払い回数など新車と異なる点があります。
特に下取り価格は金額が保証されているわけではありませんので注意してください。
メリットとデメリット
メリット
最大のメリットはすでに下取価格や買取価格が決まっていることです。
支払い終了後の価格が分かっていますので、買い替えの際にも予算の検討がしやすくなります。
そして月々の支払額が少なくて済むことです。
車両代金を全額支払う必要がないので、月々の負担が軽くなりハードルが低くなった分、購入しやすいと言えます。
ですので支払い金額によっては、グレードや車種をワンランク上げることも可能になってきます。
デメリット
反対にデメリットもあるのは確かです。
残価設定ローン(残クレ)を組むにはさまざまな条件がついており、それをクリアする必要があります。
クリアできな場合には違約金という形で残価が減額されてしまいます。
最も注意しなければいかないのが次の2点です
-
- 走行距離がオーバーしている
- ボディーや車内のキズや汚れ、臭いなど
つまり「走行距離が少ない」「きれいな状態」を保たないといけない事になります。
乗りっ放しでメンテや洗車を怠るようでは、残価設定ローンを組んでも予想以上に減額されてしまう可能性があり、乗り換えが困難になってしまうこともあるでしょう。
また、長距離を走る方にとっては、あまりいただけない内容かもしれませんね。
残価設定ローンの落とし穴
メリットもデメリットもある残価設定ローン(残クレ)ですが、実は落とし穴があるのです。
それが支払い金利になります。
通常、金利と言えば借りているいる額だけにかかるものと思いがちです。
ですから購入時の車両価格から数年後の下取り(買取)価格を引いた差額だけに対して発生すると考えてしまいます。
例えば200万円の車で下取り(買取)価格が80万円とした場合でも、差額の120万円だけに金利が掛かるわけではないのです。
残価設定ローンでは、残価の80万円も含まれて計算されます。
仮に通常のローンと比較して金利が低くなっていても、場合によってはあまりメリットを感じられないかもしれません。
必ずしも損をするわけではありませんが、残価設定ローン(残クレ)にした場合とクレジット会社を利用した場合、金額にどれ位の差があるのか確認して比較した方が良いでしょう。
金利はメーカーや銀行、クレジット会社によって異なりますので注意してください。
ここは時間を掛けてでも、どこが、そして何が一番得か良く検討することをお勧めします。
事故車になったらどうなる?
そんな残価設定ローン(残クレ)返済中で気になるのが交通事故ではないでしょうか。
もし事故に遭って”事故車”になってしまったらどうなるのか考えてみたいと思います。
万が一事故で車が損傷した場合、あらかじめ設定されていた残価が下がることがあります。特に事故歴がついたりすると大きく価値を下げてしまいます。
ではそうなったら誰がその差額を負担するのかとなるのですが、当然ユーザーであるあなたになります。
これは、例えもらい事故であったとしても同じことなのです。
車両保険に加入していれば事故の修理はしてもらえますが、残念ながら格落ち(評価損)の分は払ってもらえないと考えておくべきです。
残価設定ローンが終わったときに、その差額を負担することになる可能性は高いと言えそうです。
格落ち(評価損)については事故車の格落ち(評価損)は保険で補償されない?請求可能な交渉方法は?を参考にしてください。
最悪の場合には修理で対応できない”全損”扱いになることもあり得ます。
もし全損になると、残りの返済を一括で支払わなければいけなくなります。
その理由はローン返済後の車の存在がなくなってしまうため、契約が継続できなくなるからです。
こんな時には買取専門業者に査定をしてもらい、どれくらいの価値があるのか、またどうすれば負担が少なくなるか確認するのがよいでしょう。
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いずれにしても車両保険はきちんと加入しておき、万が一の際の負担を最小限にしておくのがベストです。
まとめ
残価設定ローン(残クレ)について見てきましたが、いかがでしたか?
メーカーや販売店、クレジット会社から提示される条件をクリアできないのであれば、それなりの覚悟が必要となりそうですね。
一見お得に見えるようでも、その辺りを良く理解しておかなければ損をしないとも限りません。
実際には購入とは言っても借りている感覚を持たないといけませんし、金利についても良く検討をした上で決めるのが良いのではないでしょうか。