公道を走行する車は車検や法定定期点検を受ける必要があります。
単に法律で定められているというだけでなく快適に、そして安全に走るためには欠かすことができません。
そしてこれらの履歴が分かる点検整備記録簿も、常備しておかなければなりませんがご存じでしたか?
ここではその点検整備記録簿の目的・役割や下取りとの関係、そして紛失した際の対処方法などについて見ていきます。
記録簿の目的や役割を知っておく
あなたは点検整備記録簿をご覧になったことがあるでしょうか?
よく車検証と一緒に、車検証入れに入っている下記のような書類になります。
点検整備記録簿とは12ヶ月点検や24ヶ月点検(車検)といった法定点検をおこなった際に記載されるものです。
たとえばファンベルトを交換したら、ファンベルトの緩み・損傷の項目に×印を入れ、交換したことを記載するので、どの部分をどうしたのかが分かる仕組みになっています。
点検しなければならないポイントについては、自動車点検基準によって定められています。
点検項目数
- 12ヶ月点検 : 26項目
- 24ヶ月点検 : 56項目
これによって法定点検が実施されているか、そして安全や走行に問題ないことが確認できます。
過去の整備状態がわかるだけでなく、今後問題が起こる得る可能性のある箇所も同時にチェックできるのです。
また、故障や事故を予防するための整備をおこなうタイミングも決めることができます。
もし紛失したらどうなる?
点検整備記録簿はあなたの車にも備わっていると思います。
その取り扱いは道路運送車両法第49条・点検整備記録簿によって次のように定められています。
第四十九条 自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、当該自動車について前条の規定により点検又は整備をしたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 点検の年月日
二 点検の結果
三 整備の概要
四 整備を完了した年月日
五 その他国土交通省令で定める事項引用元:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326AC0000000185&openerCode=1
そして、保存期間も下記のようになっています。
点検整備記録簿は、自動車に備えつけることになっており、一定期間保存することが求められています。(3ヶ月、6ヶ月点検対象車は1年保存、1年点検対象車は2年保存)
引用元:http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/
つまり、自家用車では2年間は保管しておかないといけないのです。
では、もし紛失してしまったら、どうなるのでしょうか?
実は罰則があるわけではありませんし、車検も受けることができますので実際には心配ないと言えます。
もし紛失しているようでしたら販売店に問合せてみましょう。
ディーラーなどの、点検整備後に車検を受けるタイプの”後検査で”は、整備業者が用意してくれますので紛失していても問題ありません。
ユーザー車検に場合は、最初に検査を受けて後で点検整備をする”前検査”が行なわれますので不要なのです。
ただし車検後には点検整備記録簿に記載をおこない、常備しておく必要があるので注意してください。
事故歴は記録簿でわかる
この点検整備記録簿によって修復歴(事故歴)が分かるものでしょうか?
記録簿には”どこ”を”どうしたのか”が書かれていることはお話ししましたが、実は修復歴が分かることがあります。
点検項目の中には事故によって損傷したと考えられる修理内容が書かれていたりします。
特にボディーや足回りの修理は要注意で、大きな損傷を受けていた可能性があります。
中古車を購入する前には試乗も大事ですが、点検整備記録簿があることも欠かせないでしょう。
そして内容について不明な点がある場合は、納得のいくまで説明を求めるべきです。
説明を聞いてもおかしな点があったり、あいまいな場合、ましてや記録簿がないのは要注意ですので、そのような販売店からは購入しないようしましょう。
また、これらの記録は必ずしも残っているとは限りませんので、実車を確認できる目も養っておきましょう。
簡単な見分け方は事故車の修復歴を調べる方法とは?素人でも見つけられるコツを紹介も参考にしてください。
高価下取りや買取に有利
車の購入時には確認しますが、逆に売却したい場合にはどうでしょうか。
結論から言うと「必要」になります。
これは絶対ではありませんが、買取側にとってはどのような状態で現在に至っているかの判断材料にもなります。
例えあなたがいくら「大切にしてました」といっても、何をもって信用すれば良いのでしょう。
オイル交換などのメンテナンスはできているか?
事故などで修理をしていないか?
これらを確認するのに言葉だけでは十分ではありませんし、それには証拠となるものが必要になるのです。
ですから整備履歴が書類で残っていれば、それなりの査定も受けられるのではないでしょうか。
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イメージも良くなりますし、本当にあなたのおっしゃる通りだったら見積もりにプラスされる可能性だってあります。
メーカーの保証書も大切なものですが、点検整備記録簿もしっかりと残しておき売却時には役立てたいものです。
まとめ
軽く扱われやすい点検整備記録簿ですが、履歴を残しておくためにはとても重要なものです。
そればかりでなく内装や外装、エンジンなどすべての状態を正確に把握するには欠かすことができません。
これがあるか無いかによって、車の評価や扱われ方が違ってきますから大切にしたいものです。
そして売買をする際には有効的に利用しましょう。