車の修理もさまざまで程度の軽いキズもあれば、フレームまで修理しなければならない場合もあります。
特にフレームの修理をした場合、きちんと直っているか心配になるのではないでしょうか?
歪みが残っていて後になって何か問題が発生したらどうしよう…などと不安になるかもしれません。
そこで修理後の歪みと実際に起きている問題について見ていきたいと思います。
フレームって何?
そもそも車のフレームとはどこの事を指すのでしょうか。
フレームとは骨組み(骨格)の部分になり、そこにエンジンが載せられ、足回りの部品などが取り付けられています。
身近な例として自転車を想像してみてください。タイヤやハンドル、そしてサドルなどもフレームに固定されているのがわかると思います。
自動車の場合には部品点数が多いのでもっと複雑にはなりますが、イメージとしてはこの骨組みの部分を中心に各部品が付いていると考えて良いでしょう。
過去には何種類ものフレームが存在していましたが、その構造やは見た目にも大きく異なっており、特性も同じではありません。
現在ではそれぞれの特徴を活かした使い方がされており、種類も限られています。
フレームの種類
現在の車のフレーム構造には大きく分けて2種類があります。
それがラダーフレーム構造とモノコック構造です。構造そのものが大きく異なっており、それぞれ長所と短所を持ち合わせています。
ラダーフレーム構造
ラダーフレーム構造は見た通り、はしご状になっているのが特徴で、H形フレームとも呼ばれており見た目にもシンプルです。
その長所としては強度が高く頑丈にてきているので、オフロード車などのように舗装されていない道を走る車に向いています。実際に4WD車に多く採用されているフレームになります。
へたりも起こりにくく、何らかの衝撃を受けても走行性能を保ちやすいのも特徴と言えるでしょう。
また、最悪の場合は交換もできてしまうのがラダーフレームですが、とても強度が高いのでトラックなどの大型車にも使われています。
逆に短所としては”重い”こと、そしてスペースが限られるので車内の広さを確保するのに難点があることです。
ですので同じ大型の車両でも、室内空間を重要視される観光バスになると使用されていないのが現状です。
モノコック構造
モノコック構造とはボディーと足回りの関係するフレーム(シャシ)が一体になったものです。
長所は一体化することで部品を減らし軽量化を可能にしており、なおかつ強度を持たせることに成功しています。
剛性に優れていますので、ねじれやたわみにも強く衝撃を吸収する能力が高いのが特徴です。
現在では乗用車の多くがこの構造を採用しています。その理由は強度や軽量化の他に、車内を広くできるという特徴があるためです。
昔の車はこういった技術が未熟であったことから、現在の様な高い性能を得られませんでした。
短所としては衝撃をボディ全体で受けてしまう為に、ある特定の位置部分に受けた衝撃が他の部分にも影響を及ぼしてしまうことがあります。
その結果として走行性能の低下や、乗り心地の悪化といった症状があらわれることがあります。
事故車のフレーム修理
モノコックの場合はラダーフレームと異なりボディー全体で衝撃を吸収しています。
普段乗っている時には感じる事がないかもしてれませんが、道路にある段差もボディーがしなることでショックがやわらげているのです。
ここではボディーがフレームの役割を果たしているモノコックの修正について見ていきます。
修理をおこなうにはまずは目視で確認を行い、バンパーなどの外装部品を外します。そしてフレームに異常がないか確認していきます。
損傷を受けているところが分かったらフレーム修正機を使って修正をおこなっていきます。
当然ですが曲がったりして各部の寸法が狂っているので元の寸法に戻さないといけません。
そこで使われるのが寸法図ですが、これは自動車メーカーから発行されていうもので、フレーム各部の寸法が細かく書かれています。
これをもとに正規の寸法になるように直していきます。
測定には測定装置やゲージなどが使われ、最終的に各部の寸法が寸法図と同じになっていれば修正が完了です。
文章で書いてしまうと簡単ですが、実際の作業には多くの時間と技術、そして設備が必要になります。
修理で歪みはとれない?
こうして修正されたフレームですが、歪みはとれているのでしょうか?
実際には完全に取り切れていない場合があると考えられます。
その理由はモノコック構造の場合、衝撃をボディ全体で吸収していますので、直接関係のない部分にも影響が及んでいる可能性があるからです。
実際に損傷した部分は1ミリ以下の精度で修理ができているかもしれませんが、車全体で見ればどうでしょう。
あれだけの大きさがありますから、それ以上に各部に歪みが出ていることが十分に考えられますし、その歪みの状態を全てチェックできているのかも疑問です。
もし、チェックするとなると車全体を確認していかないといけません。
これはあくまでも歪みの残る可能性があるかどうかです。もちろん修正後に走行性や乗り心地には違和感を感じない状態に戻ることはあります。
仮に車の前部をぶつけてしまったとします。ですが実際にボディー全体を点検しているかとなると、必ずしもそうではないでしょう。
どこかに何等かの影響が出ていることも考えられます。
また、一部分の損傷の修理のために全パーツを外し、フレームだけの状態にしてチェックするというのも現実的ではありません。
修理後に起こる問題
修理によって以前のように走行できるようになっても、後々問題が出る可能性はあります。
それは損傷を受けた部分の強度が落ちていたり、つないでいる部分がとれてしまうなどといったものです。
あるいは走行中に異常な振動やきしみ音がすることもあります。場合によっては走行性能に支障をきたすこともあり得ます。
では、これらの問題が必ず発生するかと言えば、そうとも言い切れないのが現実です。
どこまで直せるかは事故の程度によって大きく異なり、修理業者の技術レベルでも変わってきます。
ですから、どの程度の損傷があったというだけでは、残念ながら修理後に起こる問題まではわからないという事になってしまうのです。
状況によっては全損と判断されてしまい修理不可能な場合もあります。
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まとめ
技術の進化とともにフレームも進化してきました。
その反面、モノコック構造車のフレーム修正にはまだ不安が残ります。
昔と比べれば比較にならないほど修理のレベルが高くなっていますが、まだ100%は”直せない”場合があるのも事実です。
そうは言っても技術の向上によって、今後はより完璧な修理ができるようになっていくでしょう。