事故車のイメージはあまり良いものではありません。
その理由の一つに「きちんと修理されているか?」といった疑問や不安もあるでしょう。
修復不可能といったひどい状態の事故もあり、その後に起こり得る問題も様々です。
しっかり修理されなかった場合、真っ直ぐにに走らない、ボディーがきしむなどの”後遺症”とも言えるものが発生することがあります。
その中でも影響を受けやすい一つであるボディーの強度は大丈夫なのでしょうか。
また、走行に支障がでる諸事情についても見ていきます。
事故車の強度が上がる?
事故を起こした車を修理したら、強度が上がったという話を聞いたことがないでしょうか?
正確には修理をして元に復元するだけで強度が上がることはありません。
強度のアップは、補強部品を追加したり溶接箇所を増やすなど何らかの対策をおこなって初めて可能になるのです。
車のボディーを構成している鉄板は、正常な状態であることで強度を保っています。つまり事故によって変形したりするとバランスがくずれて、逆に弱くなってしまいます。
確かに曲がった部分だけを見れば硬度は増すのですが、逆にしなり難くなってしまうので粘りが無くなります。
それを叩いたり引っ張ったりして修理された場合には完全な修理とはいきません。
この損傷部分が100%直されている車であれば、元の状態に近づくと考えられますが、今まで以上に強度が上がることはないでしょう。
いかに大変なのがよくわかるから。
また、各パーツを溶接でしっかりと固定してしまえば良いと思われるかもしれませんが、これでは逆に力が逃げるところが無くなってしまうのです。
レーシングカーであれば、たわみやよじれを減らすことで早く走れるようになりますが、一般の車では乗り心地なども考えないといけません。
それにはボディーに加わった力を逃がす必要があり、さらに適度な粘りが重要になってくるというわけです。
完全に直せない修理事情
実際には事故車のすべてがそうではありませんが、中には不完全な修理をされた車両もあります。
なぜ、完全は修理がされないのでしょうか?
そこには事故車と言えども販売するからには、利益を上げないといけないという一つの事情があります。つまり必要以上にお金を掛けて修理ができないということです。
例えば保険でカバーできないほどの大きな金額になった場合、いかに安く仕上げるかがポイントになってきます。
完全な修理をおこなっていては予算をオーバーしてしまい、利益を上げることができなくなってしまうからです。そうなると省けるところは省いて”見栄え重視の車”に仕上がったら完了なのです。
私自身も経験していますが、事故後の車を運転したら乗り心地も操縦性も別物でした。これが同じ車とは信じられませんでした。
これには費用だけでなく、修理する側の技術と方針(やり方)が大きく関わっていると考えられます。
事故車はどこまで直せるか?
事故を起こしたら絶対に元通りにならないのかと言えば必ずしもそうではありません。
状況によっては保険によって修理に十分な費用が補償される可能性もありますし、技術的にも満足できる良心的な業者に依頼できることもあり得ます。
ですが、これはあくまで理想の形であって現実には難しいのです。
修理の際により多くの部品を交換することで、より元の状態に近づくのは当たり前ですが、費用や手間を考えると現実的でないばかりか新車を買った方が良いという話になってしまいます。
結局のところ、普通に走行ができて問題がない程度まで回復させるのが、必要最低限であり落としどころではないでしょうか。
修理後も不具合があるようでは困りますが、それ以上を望むのであれば、自己負担を考えないといけないかもしれません。
場合によっては処分することも必要です。
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まとめ
大きな事故で修理しても、今まで以上の状態で戻ってくることはないと理解しておくのが良さそうですね。
小さな傷であれば何の問題もなく乗り続けることができますが、大破した車はそうもいきません。
第一、大切な愛車にキズを付けてしまうとお金ももったいないですが気分が沈んでしまいます。
そんなことにならないように、くれぐれも安全運転を心がけましょう。
当たり前のことですが、事故は起こさないのが一番ですので十分に気を付けたいものです。